インフルエンザの次世代ワクチンについて

2015年よりインフルエンザの次世代ワクチンとして、「不活化経鼻ワクチン」の実験的な接種がはじまりました。不活化経鼻ワクチンの接種を行っている一部のクリニックで希望すれば、一般の方でも接種を受けることができます。「不活化経鼻ワクチン」とは、鼻の中に直接ミスト状のワクチンを吹きつける新しいスタイルのワクチンです。従来通りの注射によるインフルエンザワクチンは、血液中に抗体を作る手助けをしますが、不活化経鼻ワクチンには、インフルエンザウイルスが初期感染するのどや鼻の粘膜に直接抗体を誘導する働きがあります。血液中の抗体はインフルエンザに感染した時に重症化を予防することはできますが、感染そのものを防ぐことは不可能でした。この次世代ワクチンには、感染そのものを予防する効果があるとされています。
また従来型のワクチンは、その年に流行しそうな株を予想してワクチンを製造するため、株が一致しなかった場合に期待していた効果が得られないこともありました。しかし鼻やのどに作られる抗体はウイルスを捕捉する能力が高く、予測不能な新型インフルエンザに対応できる能力が期待できるとされています。ワクチン株の決定から製造までに半年程かかる従来型のワクチンより製造期間が短く済み、パンデミックと呼ばれる爆発的な流行に備えるワクチンとしても期待が寄せられています。
また次世代ワクチンのスプレータイプの接種スタイルは針を使わないので痛みがなく、注射が苦手な子供に負担をかけることなく接種が可能です。ワクチン接種の安全性に関心が高い人が安心して予防接種が受けられるように治験をすすめて、平成31年までに本格的な実用化に向けて研究が進められています。